1万年以上も続いた縄文時代は、サステナブルな、スゴい時代。

縄文って学校で習ったけど、どんな時代だったっけ?なんて人のために、ちょっと簡単におさらい!時期としては旧石器時代の次に始まり、1万数千年も続いた時代です(そのあとが弥生時代)。大きな特徴は、それまでの移動生活から定住生活になったこと。その理由には、土器の発明で食料の保存が可能になったことや、現代よりも温暖で食料の入手がしやすかったことなどが挙げられます。驚くべきはやはり1万年以上続いたという点で、きっと自然環境とうまく共生できていたのでしょう。最近よく聞く『持続可能な社会』を考えるとき、縄文時代には学ぶべきヒントがありそうです。

土偶、土器、アクセサリーなど縄文はアートの視点でも楽しめる!

縄文といえば、土偶や土器も大きな魅力!まず土偶で見ると「しゃこちゃん」こと遮光器土偶や、国宝となった合掌土偶は特に存在感がありますね。それ以外にもいろんな表情やポーズをした土偶が発掘されていて、その愛嬌やユーモラスさに思わず親しみを感じることも♡。そして土器についても、「縄文」という言葉の元になっているように縄目の模様がつけられているのが特徴で、芸術的な装飾性を発揮しています。他にも貝殻を使ったブレスレット(?)や、ネックレスにしたであろうヒスイなども見つかっていて、オシャレにも気をつかう精神性の豊かな社会だったと思われます。

登録となる17遺跡のほぼ半分、8つが青森県に!うれしすぎる!

今回登録となるのは、北海道、青森県、秋田県、岩手県の4道県にわたる17の遺跡群。なんと!そのうち8つが青森県にあるんです。知名度としては青森市の三内丸山遺跡がダントツですが、それ以外の遺跡もそれぞれに時代が違ったり、特徴となるモノ(土器や土偶、環状列石など)が異なるので、巡ってみるほどに縄文の面白さが深まりますよ。しかも今なら、スマホを使った8遺跡のスタンプラリーが10月末まで開催中。抽選で景品が当たるようです(1カ所でも応募可能!)。遠くまでの旅行は難しいご時世ですが、足元の青森県で縄文ロマンを楽しむ小さな旅はいいかも♪

『スマホでかんたん!縄文おでかけスタンプラリー』の情報はこちら
実施期間:令和3年6月1日(火)から令和3年10月31日(日)まで

二ツ森貝塚の史跡公園に立って、1500年の時の流れを感じてみたい。

今回の登録でとりわけうれしいのは、七戸町の二ツ森貝塚も含まれていること。ここは当時、すぐ近くが海の入り江で魚介類を手に入れやすかったおかげで、およそ1500年もの長い間、人々が暮らしていたと考えられています。現在でも、史跡公園に行って貝塚部分の地面を見ると、当時の貝殻(つまり4千年とか5千年前のもの!)が落ちているというアメイジング体験ができます!そして、出土品で特にすばらしいのが今回の組新聞の表紙にある「鹿角製櫛(ろっかくせいくし)」。鹿の角から作られた装飾品ですが、このカッコいいセンスと高い製作技術に脱帽です。いいね、二ツ森貝塚!

縄文の暮らしを詳しく知りたいなら二ツ森貝塚館にも、行ってみよう。

今年、二ツ森貝塚の史跡公園の程近くにオープンした二ツ森貝塚館。ここで必見なのは、貝殻がびっしり埋まった地層の断面がそのまま保存された大型展示。幅4メートルを超えるサイズで迫力たっぷりです!また展示の中にはグッと来るエピソードも。二ツ森貝塚では1歳以下とみられる小さな犬の骨も見つかっていますが、それはていねいに埋葬されていたそうです。縄文の人々の、犬への深い愛情が伝わってきますね。モノから見える縄文人の心や暮らしに、ぜひふれてみて下さい。

『二ツ森貝塚館』の情報はこちら
*表紙を含む掲載写真すべて/JOMON ARCHIVES提供