できてしまうと見えなくなる。だからこそ気を使う、壁の中。
家を外から見ると外壁材に覆われていますが、壁の中には、組新聞65号のこのコーナーでふれた構造壁があります。その構造壁の外側に張り付けるのが透湿防水シート(写真の「タイベック」)。内からの湿気は逃がし外からの水は弾くという優れものです。ただ、その施工には、とても気を使っています。
大工さんの技があってこそ、シートの性能が発揮されます。
シートはまず、水分がたまらないよう、しわ・ヨレなく張るのが大切です。そして特に注意を払うのが、タッカーという工具でホチキスみたいに留める時。留めた針の穴からの万一の水の侵入を防ぐため、不必要にタッカーを打たないようにしたり、シートとシートのつなぎ目には防水テープを貼ったりします。さらに、つなぎ目自体が少なくなるよう大サイズのシートを採用(その分、大工さんは大変ですが)。こうして私たちは、様々に工夫しながら「防水の最後の砦」を守っています。
図:組新聞65号掲載の壁の一部断面図 / 写真:この後、図のように通気胴縁を施工します。