始まりは、仲間同士のお楽しみ。その自然体が、いい感じ。

しちのへひなまつりは、町内の女性たちのサークル活動から生まれました。日本三大つるし飾りのひとつである「伊豆稲取(静岡県稲取町)の雛のつるし飾り」の作風に感銘したメンバーが稲取の様式を学び、ひとつ、またひとつと作りためていったのが始まりです。できた作品を旧家のひな人形に飾ったりしているうちにその輪が広がり、しちのへひなまつりとなって今年はすでに第9回。こうしたら面白いよね!じゃあ、私これやるよ!今度はこうしてみない?なんて、楽しむ気持ちの積み重ねだからこそ、いい感じで続いているんですね。

つるし飾りは、種類がすごい!込められた想いにも、感動。

ひなまつりの主役はひな壇とその上のひな人形ですが、つるし飾りもとても華やかで見応えがあります。赤い輪からつり下げられた5本のひもには、それぞれ11個の飾りが取り付けられて合計55個!それがいくつも吊るされているのですから、圧巻の眺めです。飾りの種類は主なものだけでも40近くあり、それぞれに女の子の健やかな成長や良縁への想いが込められています。いくつかご紹介すると「唐辛子」は「悪い虫がつかないように」。「猿」は「厄や災難が去るように」。「でんでん太鼓」は「打てば響きますように」。「まり」は「世の中まるく治まりますように」。手のひらサイズの飾りに込められた大きな親心に、ジーンときちゃいます!

その魅力は、古布にもアリ。染めの美しさに、見とれてしまう。

つるし飾りはすべて、古い着物などの布(古布)を切って作られます。代々受け継がれてきた着物ではありますが、時代の移り変わりで着なくなってしまったものを大切に再利用しています。作るときは飾りの形や種類に合うように、古布の色合いや模様をうまく活かして仕上げられているので、その点もじっくり見てほしいところ。また、古布の中には今となっては珍しいレアな染めのものがあったりして、見学のお客様から感嘆の声が上がることもあるそうですよ。

雅やかなつるし飾りは、城下町七戸によく似合う。

しちのへひなまつりが、ここまで評判を集めるようになってきたのは、会場となる商店街の通りにマッチしている、ということも大きな理由かもしれません。ひなまつりのメイン会場である「旧山勇商店」は明治35年建築の立派な商家。味噌と醤油の醸造元だったところです。太い梁や磨き込まれた床板に年月の重みを感じますが、そこにつるし飾りがあることで、ゆったりとした時の流れを味わうことができるのです。そもそも旧七戸町は鎌倉時代にルーツがあるとされる七戸城があった町。静かな町並みの中には今も続く酒蔵があったり、大きな神社があったりと、歩くほどに発見のある町なのです。

見て、食べて、作って楽しむ!今年のしちのへひなまつりは?

では、今年のまつりの内容をご案内します。会場は町内全20会場!「旧山勇商店」をメイン会場としつつ、いろんなお店の一角でそれぞれに個性のあるひな人形やつるし飾りを楽しめます。つるし飾りを作ってみたい!という方は製作体験もできますよ。また、普段は見られないようなレトロな古道具や食器の展示があったり、昔の町並みの写真展示などもついつい見入ってしまいます。歩き疲れたら、ランチやお茶をしながら「あそこのおひな様の顔が可愛かったー」「あの店の展示、面白いよね」と余韻にひたるのもよいですね。心ゆたかな春の一日を楽しんで下さい!

しちのへひなまつりウェブサイト