誰かがこの家を、見守ってくれている。そう思えるだけで、心がほんわり暖まります。

冬はまだ始まったばかりですが、毎日毎日雪が降り続くと、春が待ち遠しくなりますよね。そんな時にぜひ読んでほしいのが、この北欧スウェーデンに伝わる小人のお話です。住みついた家を守ってくれるけど、人間にはその姿が見えない小人。そう聞くと日本の座敷童子みたいですが、こちらは真っ白なヒゲのおじいさん。みんなが寝静まった真夜中に、足音を忍ばせて農場の小屋や母屋を見回っているといいます。
夏に食べた牧草を想って眠る牛、夏の野原を思い浮かべる馬、そして母屋でぐっすり眠る夫婦や子ども達。順番に見回りながら、小人は「冬はきて、またさっていくもの」と繰り返しささやきます。冬がいくら長くても必ず去っていき、春が訪れる。その真理を優しく伝えてくれる姿が、現代の私達の心まで暖めてくれます。

このコーナーで紹介してきた絵本はクーム事務所に揃えてありますので、ご覧になりたい方はお気軽にどうぞ。