熱がどこから逃げているか、一目瞭然!のサーモカメラ。

赤から黄色、緑、そして青のグラデーションで見えるサーモカメラの画像は、ちょっとユニーク!きっと皆さん、どこかで一度は目にしたことがあるのではないでしょうか?
「サーモ」は「熱」のこと。サーモカメラは、赤外線を検知して、カメラに映った部分の熱の分布を、色の分布として表現することができます。以前よりカメラが入手しやすくなったこともあり、クームでも適宜、活用しています。
特に大事なのが、断熱施工の確認。外から家の外観をサーモカメラで撮影すると、どこからどのくらい室内の熱が漏れているかがわかります。しっかりした断熱の場合、室内が暖房で暖まっていても外には熱が漏れにくいので、画面の色としては青く映るのです。ここでひとつ注意してほしいのは「青く見える家」が「イメージ的に寒い家?」と勘違いしやすいこと。家の外観を撮ったサーモカメラ画面では、「青く見える家=熱が外に漏れていない家」であることを、ぜひ覚えておいて下さい!

まずは、🅐築25年の家。2階が黄色!= 壁から熱が逃げています。

青森県をはじめ北国で建築当時主流だった、105mmグラスウール断熱材(袋入り)+ペアガラス窓という仕様です(クーム施工ではありません)。

では早速、画像を解析!まず1つめ:壁の色があちこちムラがあります。つまり、熱が不規則に漏れているのです。これは袋入りのグラスウールの欠点で、袋の中で断熱材が下に寄ってしまったり、壁の端のほうまで断熱材がきっちり届いていないことが原因だと考えられます。
2つめ:2階がとても黄色い=熱が大量に漏れています。最も黄色い部分は暖房機がある部屋ですが、ここが熱漏れしているため他の部屋が冷えたままで青く、温度差が大きい状態です。これだと結露を招きやすく、家の老朽化も早まります。
3つめ:壁の中の柱部分やサッシ廻りが黄緑=室内の熱が漏れています。これは「熱橋(ヒートブリッジ)」と呼ばれ、柱など断熱材以外の部分が、まるで熱を伝える橋のようになる状態です。ただ、シングル(充填)断熱は、柱と柱の間に断熱材を施工するので、熱橋ができるのは仕方ない面があります。 このように築約30年、そしてそれ以上昔の家は、残念ながら素材や工法の限界があり、「暖房費がムダになっている家」であるのが現実です。

次は、🅑クーム施工の家。断熱の厚さは🅐と同じ105mm。

次にクームが施工した、🅐の家と同じ105mm厚のシングル断熱+ペアガラス窓の家を撮影。まず目につくのは、柱部分が黄色くなっていて「熱橋」状態が発生していること。これは🅐の説明でもふれたようにシングル断熱では避けられない熱漏れです。

ただ、注目してほしいのは、熱橋部分と窓以外は、ムラがなく均一に青いこと。つまり断熱材はきちんと機能しているといえます。
要因は2つ。1:同じ厚さでも、より断熱性能が高い素材を使用している。2:袋入りではなく片寄ったりしない断熱材を使用し、すみずみまで隙間なくしっかりと施工されている。この2点には(シングル断熱の限界はあるものの)クームの家づくりの基本が現れています。
さて、こう見てくると、よりあったかい家づくりの課題も見えてきますね。次、行ってみましょう!

最後は🅒約300mmダブル断熱の家。クームいち推しのパッシブ換気暖房。

最後は、クーム施工の約300mm断熱のパッシブ換気暖房+トリプルガラス窓の家。早速、上のサーモ画面を見て下さい。ほとんど紺色!つまり、熱漏れがとても少ないことがわかります。

要因は、約300mmというぶ厚いダブル断熱。🅐や🅑の家では断熱材を挟む柱に熱橋状態が発生していましたが、このダブル断熱では柱を互い違いに配置し、2層の断熱材が柱を守るようにしています。その結果、熱橋がなく熱漏れがほぼありません。また、パッシブ換気暖房は24時間全館暖房なので部屋間の温度差がなく、結露対策にもなります。熱漏れが少ないということは、一度暖まった室温を長くキープできるということ。だから全館暖房とはいえ、暖房費は大幅に節約できるということになります。

いかがでしたか?ちなみに熱漏れのない家は、夏はエアコンで冷やした室温を長くキープできる家になります。暮らし始めてからのランニングコストを少しでも低く抑えられるよう、クームは日々、「つくりのいい家」を進化させ続けています。

*撮影にあたってはすべて許可を得ています。
*サーモカメラは赤外線で表面温度を測定し比較するだけなので実際の温度とは異なります。