ブログBLOG

CATEGORY

太陽光・蓄電池の思わぬリスク|パネルに代わる「熱を貯める家」が資産になる理由

太陽光発電の廃棄費用や火災リスクは?後悔しないために知るべき「設備」と「断熱」の優先順位

「将来の廃棄費用が高そう」「屋根にパネルを載せて火事にならない?」と、太陽光発電や蓄電池の導入で不安を感じていませんか?

電気代高騰への対策として創エネ設備は魅力的ですが、導入コストやリスク、将来のメンテナンス負担を考えると、本当に我が家に必要なのか迷う方も多いはずです。

本記事では、青森県(八戸市・十和田市・三沢市周辺)で、機械に頼りすぎない「パッシブ換気」を採用し、設計士が一貫して家づくりに伴走する建築工房クームが、太陽光発電に潜むリスクと、設備に依存しない解決策を徹底解説します。

建築工房クームの外観施工事例

実は、エネルギー自給や災害対策で後悔しないためには、高額な設備投資をする前に「家そのものの燃費」を良くすることが何より大切です。この記事では、

  • 20年後に慌てないための「廃棄費用」と積立の考え方
  • 太陽光発電の火災リスクの真実と主な原因
  • 設備のリスクを回避する「パッシブデザイン」という選択肢
  • 蓄電池の代わりに「熱」を貯める家づくりの発想

など、プロの視点で「長期的に損をしない家づくりの優先順位」をお伝えします。ぜひ、計画の参考にしてください。

目次

将来の「廃棄費用」はいくらかかる?撤去コストの相場と積立制度の基礎知識

太陽光発電や蓄電池を導入する際、初期費用や売電収入にばかり目が行きがちですが、忘れてはならないのが「使い終わった後のこと」です。20年、30年と長く使い続けた後、設備を撤去・廃棄するにはどれくらいの費用がかかるのでしょうか。

将来の負担をあらかじめ把握し、計画的に準備をしておくことは、長期的なメリットを最大化するためにも非常に重要です。

ここでは、具体的な廃棄費用の相場と、国が進める積立制度の仕組みについて解説します。

家について解説を受ける夫婦

20年後・30年後に慌てないために知っておきたい、パネル・蓄電池の廃棄費用相場

将来、太陽光パネルを撤去・廃棄する際には、パネルそのものの処分費に加え、作業員の人件費や足場の設置費用、運搬費などが発生します。一般的な住宅用太陽光発電(10kW未満)の場合、設置条件やパネルの枚数にもよりますが、足場代や撤去工事費、運搬費を含めておよそ20万円〜45万円程度が相場と言われています。

また2026年2月現在はまだですが、数年後にはパネルリサイクル法の施行が予定されています。これはパネルのレアメタルを分別解体しリサイクルするもので撤去時の費用負担が更にアップします。

もちろんリサイクル技術の進歩によるコストダウンも期待されますが、一方で人件費や物価の上昇傾向も考慮する必要があります。そのため、現時点では少し余裕を持って予算を見込んでおくのが安心です。

また、蓄電池の廃棄についても注意が必要です。蓄電池にはリチウムなどの化学物質が含まれているため、通常の粗大ゴミとしては捨てられません。基本的には産業廃棄物として処理するか、メーカーや販売店に回収を依頼することになります。メーカーによっては廃棄費用が数万円〜十数万円かかるケースもあるため、購入時に「処分の際はどうすればよいか」を確認しておくことをおすすめします。

数十年後の出費とはいえ、急に数十万円が必要になると家計への負担も大きくなります。修繕積立金のように、将来のために少しずつ準備をしておくのが賢明です。

『新築時には教えてくれないメンテナンス費用最大のリスク』

実は、屋根載せタイプのパネルは屋根のメンテナンスが難しいとご存知でしょうか?。例えば、屋根の塗り替え時期(通常10年~15年)に太陽光パネルを脱着してそのままだと雨漏れのリスクになります。。また、屋根に穴を開けネジで太陽光パネルを直留めする工法や、屋根に固定金具で留める工法は、腐食や防水切れのリスクがあります。

そしてなにより、穴の開いた屋根・腐食した屋根は、建物そのものの寿命を早める事に繋がります。

しかし新築時にはこのような将来の出費を含まない売電収支が作成されます。ソーラー標準装備とうたい、一見すると儲かるように見せかける業者さんもいるので注意が必要です。

また、太陽光パネルはオール電化とセットにするメーカーが多いのも特徴です。オール電化の設備の寿命と買い替え費用も加味し、何年後にどんな費用が発生するのか、50年サイクルでの収支計画を出してもらいましょう。

義務化が進む「廃棄等費用積立制度」とは?ランニングコストとしての考え方

太陽光発電の廃棄費用に関しては、国も対策を強化しています。その一つが、2022年7月から始まった「廃棄等費用積立制度」です。これは、FIT制度(固定価格買取制度)やFIP制度の認定を受けた10kW以上の事業用太陽光発電を対象に、廃棄費用の積み立てを義務付けるものです。

売電期間が終了する直前になって「資金不足で撤去できない」という放置トラブルを防ぐため、売電収入から自動的に積立金が差し引かれる仕組みになっています。

一般的な家庭用(10kW未満)の太陽光発電は、この「義務化」の対象外ですが、この制度の考え方は非常に参考になります。事業用と同様に、家庭用であっても「売電収入や電気代削減効果の一部は、将来の処分費である」と捉えることが大切です。例えば、毎月の経済メリットのうち1,000円程度を「将来のメンテナンス・撤去費用」として積み立ててみてはいかがでしょうか。

そうすることで、パワーコンディショナーの交換時期や最終的な撤去時期が来ても、家計を圧迫することなくスムーズに対応できるはずです。ランニングコストを正しく理解することが、長く安心して使い続けるための秘訣です。

家にかかるコストのイメージ

太陽光発電・蓄電池は火災になる?リスクの真実と主な原因

「太陽光発電を導入したいけれど、火災のリスクが心配」という声を耳にします。屋根の上に電気設備を載せるわけですから、万が一の事故を懸念されるのは当然のことです。

結論からお伝えすると、天災を除いた太陽光発電システムが原因で火災が発生する確率は非常に低いのが実情です。

少し前のデータになりますが、消費者庁が公表した調査報告(2019年発表)では、調査期間の約9年間で太陽光発電に関連する火災事故などは127件報告されています。当時の累計設置棟数(約237万棟)に対する発生割合で見ても、また設置数がさらに増加している2026年現在の状況を鑑みても、システム起因の事故発生率は極めて稀だと言えるでしょう。

しかし、「確率はゼロではない」という点には注意が必要です。火災の原因は、パネルそのものの欠陥というよりも、施工不良やメンテナンス不足、あるいは特定の設置条件による要因が大半を占めています。リスクの正体を正しく知ることで、トラブルを未然に防ぐ対策が可能になります。

太陽光発電に対する疑問のイメージ

ケーブルの不具合や施工ミスなど、一般的な発火トラブルの原因

太陽光発電システムからの発火トラブルで最も多い原因の一つが、ケーブルや接続部分(コネクタ)の不具合です。これらは「電気的なショート」や「接触不良」によって引き起こされます。

中でも特に注意が必要なのが、施工時の人的ミスです。ケーブルをつなぐ端子のネジ締めが不十分だったり、コネクタの差し込みが甘かったりすると、電気抵抗が増大して発熱し、最悪の場合はアーク放電(火花放電)が発生して周囲の可燃物に引火してしまいます。また、防水処理が不適切なために雨水が浸入し、トラッキング現象(漏電発火)を引き起こすケースも報告されています。

積雪地ではパネルとパネルをつなぐケーブルが雪の重みで垂れたり、落雪の際に巻き込んだりで破損しショートする場合もあります。

さらに、施工当初は問題がなくても、経年劣化や外部要因でリスクが高まることもあります。例えば、屋根裏やパネルの裏側に入り込んだネズミなどの小動物が配線をかじってしまい、被膜が破れてショートする事例は意外と少なくありません。消費者庁や総務省消防庁も、こうした接続不良や外部要因による火災リスクについて注意喚起を行っています。

家のリスクに関するイメージ

これらを防ぐには、設置後の定期的な点検(メンテナンス)はもちろんですが、最初の施工時に『誰が工事を管理しているか』を確認することが何よりも重要です。現場での細かな施工ミスは、図面作成者と現場監督の連携不足から生じることがあります。

そのため、設計者がそのまま現場管理まで一貫して行うなど、図面の意図を熟知した人間が現場を厳しくチェックする体制を持った会社を選ぶことが、見えないリスクを回避する確実な方法です。

意外な盲点「屋根一体型パネル」などで起こる「屋根裏の熱ごもり」のリスク

電気的なトラブルとは別に、建物の構造とパネルの相性によって引き起こされる火災リスクもあります。それが、日経BPなどの専門メディアでも指摘されている「屋根裏の熱ごもり」による木材の発火です。

一般的な太陽光パネルは、屋根材の上に架台を設置してパネルを載せる「据え置き型」が主流です。このタイプは屋根とパネルの間に隙間があり、空気が通り抜けるため熱が逃げやすくなっています。一方で、デザイン性を重視した「屋根材一体型(建材一体型)」のパネルは、屋根の表面がそのまま発電パネルになっています。

特に注意が必要なのが、かつて普及した製品の一部に見られた、パネルと屋根の下地(野地板)の間に鉄板などの不燃材が入っていない「鋼板等なし型」と呼ばれるタイプです。

不燃材のない構造では、発電に伴う熱や直射日光の熱が逃げ場を失い、パネルの真下にある「野地板(屋根の下地となる木材)」に直接伝わってしまうことがあります。現在の製品の多くは対策済みですが、採用予定のパネルが安全な構造になっているか確認することが不可欠です。

太陽光パネルの品質チェックのイメージ

木材は、長期間にわたり高温にさらされ続けると「低温炭化」という現象を起こします。炭化した木材は通常よりも低い温度で発火しやすくなるため、ある日突然、小さなきっかけで火災に至るリスクがあるのです。

消費者庁の調査でも、火災が野地板にまで燃え広がった事例の多くがこの「鋼板等なし型」でした。現在普及している一体型パネルの多くは不燃材を挟むなどの対策が施されていますが、導入を検討する際は、「野地板との間に鋼板が入っているか」「通気構造は確保されているか」をメーカーや施工店に必ず確認することをおすすめします。

機械設備だけに頼らない。「省エネ」から考えるリスク回避の選択肢

ここまで、太陽光発電システムや蓄電池に潜むリスクやコストについて解説してきました。もちろん、これらは適切に管理すれば有用な設備ですが、屋根の上に精密機械を載せる以上、メンテナンスやリスク管理は必須となります。

そこで一つ提案するのが、設備機器に依存しすぎない家づくりという考え方です。それは、「電気をどう作るか」という創エネの視点ではなく、「そもそも電気を使わなくても快適な環境を作る」という省エネの視点です。

自然エネルギー(太陽の熱や風)を建物の設計でコントロールする「パッシブデザイン」という考え方があります。機械設備への依存度を減らし、建物そのものの性能を高めることは、結果として将来的な故障リスクやメンテナンスコストを下げるとともに、快適な暮らしを手に入れるための合理的な選択肢となります。

参考:https://www.cumu.jp/energy/

建築工房クームの内観施工事例

冬の発電減対策。「創エネ」の前に見直したい「断熱性能」

雪国における太陽光発電の課題は、暖房需要が高まる冬場に、雪でパネルが覆われ発電量が落ちてしまうことです。この需給ギャップを埋めるために設備を増強するのも一つの手ですが、コストも相応にかかります。

ここで重要になるのが、「熱を逃がさない」という建物そのものの基本性能です。例えば、一般的な基準を大きく超える「300mm断熱」のような高規格な断熱施工を行うと、家は魔法瓶に近い保温性能を持つようになります。ここまで性能を高めれば、太陽光の熱や生活熱だけで室温を維持できるため、そもそも暖房用に多くの電気を創る必要がなくなります。

「設備で暖房用の電気を補う」か、「構造で熱を保つ」か。数十年先のランニングコストまで見据えたとき、劣化しない「断熱」への投資は非常に堅実な選択と言えるでしょう。

建築工房クームの内観施工事例

「家」をエネルギーの器にする。蓄電池に代わる蓄熱という考え方

災害対策やエネルギー自給の観点から「蓄電池」への関心が高まっています。「電気を貯めておく」ことは確かに安心につながりますが、導入コストや10年〜15年と言われる寿命を考慮すると、費用対効果の判断が難しい側面もあります。

現状の蓄電池の価格では、電気代で元が取れないうちに次の買替え時期が到来し、コスト負担の負のスパイラルに陥ってしまう懸念があります。

もし、高額な設備投資に迷いがあるなら、「電気」ではなく「熱」を貯めるという視点を持ってみてはいかがでしょうか。家そのものの性能を上げることで、蓄電池に似た、あるいはそれ以上の安心感を得られる場合があります。

家づくりのアイデア

バッテリーではなく、建物の内部に「熱」を貯める

蓄電池は電気を化学エネルギーに変換して貯めますが、建物には「蓄熱」という機能があります。特に、断熱材を厚く充填した壁や床は、一度温まると冷めにくい巨大な熱のタンクとして機能します。

日中に窓から入る太陽の熱を、建物という器に蓄えておく。そうすれば、日が沈んだ後も家全体がほんのりと暖かい状態が続き、夜間の暖房エネルギーを大幅に抑えることができます。これを「300mm断熱」などの高断熱仕様で実現すれば、エネルギー変換ロスもなく、バッテリー交換のような将来的な出費も発生しません。「機械に電気を貯める」ことだけが備えではありません。「建物に熱を貯める」こともまた、立派なエネルギーの自給自足と言えるでしょう。

災害時の安心は「電力の確保」と「室温の維持」の両輪で

災害時の備えとして蓄電池は有効ですが、容量には限界があります。もし真冬に停電が長引いた場合、電気が尽きれば暖房も止まってしまいます。

本当の意味での「災害に強い家(レジリエンス住宅)」とは、ライフラインが止まっても、居住可能な環境が守られる家のことです。パッシブデザインを取り入れた高断熱な家であれば、たとえ暖房が停止しても室温の低下は緩やかです。「バッテリー残量を気にする」必要なく、「家の中なら凍えることはない」という物理的な安心が確保されています。

もちろん予算が許せば蓄電池も有効ですが、まずは「機械に頼らなくても室温を維持できる器」を作っておくこと。それが、不測の事態においても家族を守る、最も基本的な備えとなるはずです。

建築工房クームの内観施工事例

まとめ:エネルギー自給のカギは、「機械による創エネ」以上に「家の省エネ性能」にある

本記事では、太陽光発電や蓄電池の火災リスク、将来かかる廃棄費用の相場、そして機械に頼らない家づくりの考え方について解説しました。

結論として、リスクやコストを抑えた賢い家づくりとは、「どの太陽光パネルを載せるか」という設備のスペック比較だけで決まるものではありません。「数十年後に廃棄コストや故障リスクを負わないか」「設備が止まっても快適に暮らせるか」という長期的な視点、そして何より、わずかな熱でも逃がさない「断熱性能」が確保されているかが決定打となります。

どんなに高性能な創エネ・蓄電設備も、家自体の断熱性が低ければ、作った電気はすぐに冷暖房エネルギーとして浪費されてしまいます。エネルギー対策は「設備機器」で補うだけではなく、まずはその土台となる「家そのものの性能」を高めることから考えるべきなのです。

私たち建築工房クームは、寒冷地である青森県(八戸市・十和田市・三沢市周辺)で、過剰な機械設備に頼らず、高い断熱性能と自然の力を活かす「パッシブデザイン」「パッシブ換気」を用いた家づくりを追求してきました。

この仕組みは、将来のメンテナンスコストや火災等のリスクを最小限に抑えつつ、家中どこでも暖かい環境を実現できますが、ごまかしの利かない非常に高度な「設計力」と「施工精度」が求められます。

だからこそ、私たちは営業マンを置かず、最初のプランニングから設計、現場での施工管理まで、「設計士」が一貫してあなたの家づくりに伴走します。設計士が現場の隅々まで目を光らせ、数値に裏付けられた性能を確保するからこそ、設備に頼りすぎない「本当に安心で経済的な暮らし」をお約束できるのです。

建築工房クームの外観施工事例

毎日過ごす場所だからこそ、機械の寿命に左右されず、「家自体が熱を蓄える」暮らしを選んでみませんか? ぜひ一度、私たち設計士に、ご家族が望む理想の暮らしをお聞かせください。

【建築工房クーム 一級建築士:二ツ森 正勝】

【建築工房クーム 一級建築士:二ツ森 正勝】

長年の経験を活かし、設計・デザインの提案を通じてお客様と「これいいね」と価値を共有できる家づくりを大切にしております。家族が集い、笑顔が生まれるような、心安らぐ空間づくりに貢献いたします。