パッシブ換気PASSIVE VENTILATION

自然の力を活かす

Naturally
ventilation自然の力を活かす

機械に頼らない
換気方式があります。

いまの家づくりでは「24時間換気システムの設置」が義務化されているのをご存知でしょうか?その換気システムの方式にはいくつかあるのですが、クームでは、気密と断熱の両方を兼ね備えた高性能な家だからこそできる、先進的な換気方式をご提案しています。

家全体を使った自然換気とは

通常よくある換気方式は、機械を使って強制的に給気や排気をしています。それに対してクームがおすすめしているのは、機械を使わず、自然の力で換気をする「パッシブ換気」。その体感的メリットは、自然で穏やかな空気感と静けさにあります。強制的な方式と違ってとてもまろやかな換気が行われ、機械を使わないのでモーター音などがありません。

では、その仕組みとは?まず根本的な原理としては、暖かい空気が軽くなって上昇する力を使います。空気を暖める方法はいくつかありますが、まずは自然エネルギーを最大限活用する「パッシブデザイン」の考え方で、太陽の日差しを大きな窓から取り込み、室内の空気を暖めます。暖まった空気は上昇して、最終的に高所にある排気口から排出される、というのが基本の仕組みです。

ただし、これだけだと日差しの暖かさが足りない日や夜間は換気できなくなります。そのため床下に暖房装置を設置し、必要に応じて外から取り込んだ空気を暖めます。すると各部屋の床に設けたガラリ(細長いスリット状の穴)から暖まった空気が室内に上がり、最後は通常どおり高所の排気口から排出されます。

家全体を使った自然換気とは パッシブ換気は家全体を換気装置とします。なお、パッシブとは、自然エネルギーを建築的な工夫で利用して、設備に頼らず快適な環境をつくること。「パッシブ換気」と「パッシブデザイン」を組み合わせることで、自然エネルギーを最大限活用することができます。

ここでひとつ大事なことは、この仕組みが機能するためには家の気密性能が高いことが前提になるということ。つまり、気密が高ければストローと同じ原理で、一方から空気を出せば(排気)、もう一方から空気が入ってきます(給気)が、気密が低ければ意図した空気の動きが生まれません。

このようにパッシブ換気には、その仕組みを理解したうえでの綿密な設計と、しっかりと気密を保つていねいな施工能力が必須です。また、家の断熱性能もとても重要。断熱性能が低いとただ上が暑く、下が寒い家になってしまいます。これらすべてをクリアする「つくりのよさ」にこだわる姿勢、開放的な大きな窓を活かすパッシブデザインのノウハウがあるクームだからこそ、自信をもっておすすめできる方式なのです。

必要な換気量を自動調整

パッシブ換気では空気の自然な流れを活かしていますが、そこで暮らす人の活動量や季節に応じて換気量を自動的に調整できる機器も設置されています。
例えば、寝ているときは換気量は少なめに、わいわい楽しく食事をしているとき(人の呼吸や料理で湿度が高くなった状態)は多めに、という具合です。

必要な換気量を自動調整 温度と湿度に応じて、自動的に換気量が調節されます。

また、冬は温度差による過剰な換気量を抑えて暖かい空気をなるべくキープすることも可能。これらの調整機器も電気を使わない仕組みなのが特長です。

必要な換気量を自動調整 左:外気温の変化を受けて、内部のバネが給気口の開きを調整します。
右:湿度で伸び縮みするナイロンリボンを使うことで、排気口を開け閉めします。

床下全体を温めるメリット

パッシブ換気は北海道で開発された方式で、そこにクームではオリジナルな工夫を施しています。パッシブ換気は床下を暖める熱源にエアコンやストーブなど様々な機器を使えますが、クームは北海道でも実績のある、ガス式の温水暖房を採用しています。温水の入ったパイプを床下に巡らせることで床下全体が暖まるので、すべての床のスリットから均等に空気を上昇させることができます。
また、部屋に入ってくる空気を予熱するだけでなく、換気ムラを抑えることができますし、さらには足元が冷たくならず、冬場の床下結露の防止にも貢献します。

床下全体を温めるメリット 左:床下全体を暖めれば、給気口から遠くても空気が上昇します。例えば玄関などの土間コンクリートの中にパイプを通せば、床下空間がなくても空間が暖まります。
右:床下の熱源にストーブ1台を採用した場合。実際の床下はコンクリートの基礎の立ち上がりで区切られているため、床下結露のリスクが高くなります。
メンテナンス

Maintenanceメンテナンス

楽に住み続けられる家にしよう。

クームの家は「つくりのいい家」ですが、住み始めてからの定期的なメンテナンスや設備交換は必要です。それを面倒に感じることもあるかと思いますが、人の健康診断と同じで、家自体にもずっと健康でいてもらうためには欠かせないもの。ただ、パッシブ換気方式なら、その面倒さや費用負担を軽くすることはできるので、気持ちを楽にして住み続けることができるのです。

ローメンテナンスでいこう

家のメンテナンス項目の中で、従来、手間と費用がかかって大変と言われてきたのが、機械で行う換気方式でのフィルター交換。天井や壁にある点検口をあけて定期的にフィルター交換をしなければなりませんが、それを怠るとホコリがたまって換気量が不足したり、室内で結露が起きることもあります。その点、パッシブ換気は給排気口の汚れを掃除する程度で、フィルター交換自体が不要です。またシンプルな仕組みなので機器が壊れる可能性もほぼ、ありません。

ローメンテナンスでいこう メンテナンスされないフィルターは言わば使用後の掃除機フィルター。普段は目に見えない換気設備は掃除を怠りやすい所です。
※写真は、機械で行う換気方式のフィルターの一例。

設備の交換は最小限にしよう

家に長年住み続け10年単位で考えると、部材や設備の経年変化や劣化は避けられず、交換が必要となってきます。その中でも暖房・給湯設備は高額なものであり、特に近年の省エネタイプ、エネルギー効率が高いと言われる機器ほど、おのずと高くなる傾向があります。
その点、クームのパッシブ換気・暖房では、大きく2つのポイントで従来の方式よりも優位であると考えています。1つめは、採用している機器の耐用年数が長いこと。同じ50年の間の交換時期のタイミングが、従来換気方式だと3回のところが、2回で済みます。2つめは、使う機器の数が少ないこと。必要な機器の台数が多いと、その分、故障や工事費の経費がかさむリスクも高まります。br> 以上の内容を仮の想定で試算してみましたが、設備代金に入替用の工事費を加えると、50年で約250万円の差が出る結果となりました(建物内に設置された暖房用の配管は除き、機械設備を丸ごと交換した場合)。

なお、クームのパッシブ換気・暖房は、エネルギー源としてガスを採用しています。ガスは一般的に高いと思われがちですが、安心して使っていただけるよう、ガス供給業者様には価格協力をしてもらっています。⻑い目で見たときに、健康にもお財布にも優しさを実感できる家に住んでいただくのが、クームの願いです。

ランニングコスト 設備交換のタイミング
ヒートポンプ式の暖房、ヒートポンプ式の給湯、熱交換式の換気:15年
ガス式の暖房兼給湯、トイレや建築基準法対応用の第3種換気:20年
実際の設備交換のタイミングは使い方にも影響されますが、それでも台数は少ない方がいいですよね。