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ダイニングから始まる家

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六ヶ所村

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床下の秘密

現場監督さんが床下に潜って撮影してきてくれましたΣ(・ω・ノ)ノ
せっかくの機会なので、今回はパッシブ換気の「給気」を調整してくれる、床下のスゴイアイテムをご紹介します!

まず先に、パッシブ換気の説明を軽くしますと、
1:床下から外の新鮮な冷たい空気を取り入れる
2:取り入れた空気を温める
3:温まった空気は軽くなり、フロアに開けられたスリットから居住スペースへ上っていく
4:温かい空気は周りの空気を巻き込みながら家の高い所へ
5:家の一番高い所にある排気用のスリットから、空気が外へ排出される

という流れで、空気が家の下から上へ流れていきます。
これだけだと無駄に暖かさが逃げていくお家になってしまうので、実際は給気と排気を「必要な時に最適な量」に調整する装置を取り付けます。
(そしてこの装置は電気いらず・シンプルな仕組みなので、停電も関係ないしお掃除もとってもラクチン♪)

今回お伝えする床下にあるアイテムは、一番初めの空気の取り入れ口、給気量を調整するものです。

これがパッシブ換気・暖房のお家の床下です!

下にある黒いのが温水パネルヒーター、上にある丸いのが「サーモフレッシュ」というキーアイテムです(・∀・)

これを横から見ると、サーモフレッシュの先は微妙に隙間が空いています。

この隙間、外から入ってくる空気の温度により、開き具合が変化します!
この働きのおかげで寒い冬でも、換気量がムダに多すぎるということにならないんですよ。

※もしこの隙間がもっと大きくて、調整できなかったら…?
暖かい時期はともかく、冬にまで冷たい空気がたくさん入ってきたら床下が極寒の地になってしまいます。それに暖房もフル稼働しちゃいますよね!
空気の入り口が狭くなってるのに換気量はちゃんと確保できてるの?と心配になるかもしれませんが、温度差(正確には圧力差)があると空気はより早く流れるので、十分な量が確保できてますよ(*'ω'*)

気密測定してました

この現場ではちょっとお久しぶりです!

先週の土曜日から完全予約制の内覧会を開催しておりますが、皆様パッシブ換気・暖房の良さを体感していただけたようで、作り手として、とっても嬉しいです。
※ただ、予約の時期は終わってしまったので、追加のご予約は受け付けできないのです…。申し訳ございません(´ ;д;` )

***

前回、床下の給気口を日誌で紹介しましたが、実はその設備を活かすも殺すも、お家本体の「気密」にかかっているのです。

まず前提条件として、パッシブ換気は隙間風だらけのお家では採用できません。
気密が取れていないスカスカのお家は、床下で空気を温めても、暖かい空気が天井まで登ることなくあちこちの隙間から逃げていきます。こんな状態では、家の中にいても暖かくありません…。

これが気密がしっかりとれた家だと、空気の出入口は、換気のために開けた給排気口だけになります。
給気口近くで空気を温め、排気口だけで空気を外に出す。たったこれだけで、単純だけど計画された空気の流れを作ることができるんです。

***

…気密が大事なのはわかったけど、じゃあ実際どれくらいの性能だといいの?と言うと、
パッシブ換気のお家は、気密が0.5c㎡/㎡※以下のお家で採用してね!という基準があります。

このお家では、測定結果が0.1c㎡/㎡でした! これはとってもいい性能です(*^▽^*)
↓こんな風に、窓にメガホンのような機械を取り付けて測定してるんですよ。



この気密を表す数値を、相当隙間面積、C値(シーち)と言います。家中の隙間の面積をお家の延べ床面積で割ったものです。

イメージとしては、床が1m四方で、高さが天井位(2mちょっと)の箱があるとして、C値が1c㎡/㎡だと、1cm角の穴がどこかに空いてるということです。
家としてみると、実際には穴がぽっかりと空いているのではなく、材と材のつなぎ目やサッシの隙間など、細い隙間が集まって集まって、合計1c㎡になります。

ちょっと昔の省エネ基準になりますが、北海道や東北地方ではC値2が最低限確保するべきラインでした。(評価方法が変わったせいか、今は省エネ基準自体にC値の項目がなくなっていますが…。)

C値0.5で高気密と言われる住宅界隈ですが、このお家は0.1なので、超高気密と言って良いですね(・∀・)b